ファイヤーキングの歴史

1.グラスウェアの歴史
 
ファイヤーキングを生んだAnchor Hocking Glass Companyは、1905年創業のHocking Glass Companyが、1937年、Anchor Cap and Closure Corporationと合併して誕生しました。
 
Anchor Hocking Glass Company は、テーブルウェアを生産すると同時に割れにくい丈夫なガラス素材を開発し、オーブンウェアの生産を始めます。
 
そして1942年、Fire-Kingブランドが誕生し、1940年代以降、ミルクガラスを中心としたFire-Kingラインと、Anchor Hockingのガラス技術を駆使したカラフルなグラスウェアを展開していきます。
 
代表的なカラー及びパターンを製造開始年順にご紹介します。
 

<1938年>

■ロイヤルルビー(Royal Ruby) 生産終了:1967年



現存するロイヤルルビーの多くは1940年以降に生産されましたが、ファイヤーキングが誕生する前の1938年には生産が始まっていたAnchor Hockingを代表するカラーです。
 
アンティークカラーとしてアメリカでは人気が高く、両雄のフォレストグリーンと比べて全般的にお値段も高めです。
 
一般的なディナーウェアに加え、灰皿、ビールのボトル、カードホルダーやランプ、そしてフクロウを象ったコイン入れなど、バリエーションがユニークな点も人気の理由ですが、ロイヤルルビーの名に相応しいカラーは、実際に手に取るとその価値が伝わります。

 
<1941年>

■サファイアブルー(Sapphire Blue)オーブンウェア 生産終了:1956年



Fire-Kingとして最初に手掛けられたオーブンウェア、キッチンウェアたちは、このサファイアブルーで彩られました。1940年代、1950年代のおしゃれなキッチンはこの美しいブルーで染まっていたそうです。
 
Anchor Hockingで会社のガラス史に大きな役割を果たしたPhilip Bee氏に敬意を表して名付けられた”Philbe”パターンは、1937年にはディナーウェアで商品化されていましたが、そのPhilbeパターンが多用され、サファイアブルーの色合いと相まって高い人気を博しました。

当時のサファイアブルーには、FIRE-KINGの名が入ったものと無いものがありますが、それは製品別による場合と製造年別による場合があります。
 
■バブル(Bubble) 生産終了:1968年



Anchor Hockingを代表するデザインであり、だれもが一目で判る点でおすすめのシリーズです。
 
様々なサイズのボウルやプレート、カップ&ソーサー、シュガー&クリーマー、タンブラー、ピッチャー、キャンドルスティックなど、種類も豊富です。
 
カラーもCrystal、Sapphire Blue、Forest Green、Royal Ruby、WhiteそしてJade-iteなどがあります。
他にも希少カラーとしてPinkがありますが、Pinkはボウルを除くとアメリカでも見つけることは至難の業です。
 
かわいいデザインですが、Anchor Hockingが実用向けに製造したシリーズのため、クリスマスの食卓を飾ってきたフォレストグリーンやロイヤルルビーのディナープレートは、見つかっても多少のカトラリー痕がある場合がほとんどです。
 
さらに、ほぼ同じ時期にStemwareと呼ばれる、脚元がバブルでデザインされたおしゃれなグラスも次の3つのラインで造られました。

●ブーピー(Boopie)



脚元がビーズで縁取られたグラスで、当時はBerwickという名前で販売されました。
他の2つのStemwareラインに先行して造られ、クリスタルは1970年代中期まで続いたため、他の2つのラインに比べて製造期間が長く、アメリカでも一番多く見られるデザインです。

グラスカラーはCrystal、Forest Green、Royal Rubyのほか、Boopieだけのカラーとして1960年-1961年にAmberも生産されました。

●アーリーアメリカン(Early American)



グラス本体と脚元の間に大きなバブルボールがあるシリーズです。
Bubble stemというと正式にはこのラインを指します。
1950年代から1960年代にかけて生産されました。

●バープル(Burple)



渦巻き状にデザインされた脚が特徴で、正式名はInspirationです。
バープルはStemwareではフォレストグリーンのみで造られたため、製造期間は1950年-1965年となります。
 

<1945年>

■アリス(Alice) 生産終了:1949年



ミルクガラスのみのパターンとしては最初のもので、翌年に生産が始まったジェーンレイとともに人気が高いディナーウェアです。
 
ジェーンレイよりも凝ったデザインと製造年数の短さ、そして生産ラインがカップ&ソーサーとディナープレートのみという希少性から、アメリカでも見つけにくい存在です。
 
アリスというと日本ではジェダイカラーのイメージが強いのですが、Vitrockと呼ばれる乳色とベージュのカラーもあります。
Vitrockにブルーやレッドで縁取られたカラーは、アメリカではジェダイよりも高額で、特にVitrock with red trimはレア品として扱われています。

アリスは刻印を入れずにデザインされました(ディナープレートはアンカーマーク入りもあり)が、アリス生産末期に当時のGLASS刻印を入れた製品も造られました。
 

<1946年>

■1700ライン(1700 Line) 生産終了:1958年



ディナープレートは、やや遅れて展開が始まったレストランウェアと混同されることもあるようですが、1700ラインの直径が9・1/8なのに対し、レストランウェアは9インチと、サイズがとても近いからでしょうか。
でも2つのプレートを並べて見ると、プレートの厚みで容易に区分けができます。
 
古いシリーズなので希少性も高いのですが、レストランウェアと比較するとお求めやすい価格も1700ラインの魅力です。
 
1700ライン・ディナープレートは、同じ1700ラインのセントデニスカップ&ソーサー、エッグカップ、16オンス・シリアルボウル、20オンス・ミルクピッチャーとともにBreakfast Setとして販売されたことでも知られています。
 
1700ラインの中心カラー・アイボリーのほか、ジェダイ、ミルクホワイトも造られました。
ジェダイは展開数が少なく、他のカラーに比べてプレミアム価格が付いています。

■ジェーンレイ(Jane Ray) 生産終了:1965年



“Jane Ray”という名前は、コレクターによって名付けられた名前でその由来は誰も知らない、と言われています。実際、Jane RayのHEAT-PROOF STARTER SETの箱にもJADE-ITEとしか記載されておらず、当時はJade-ite=Jane Rayと誤解している人も少なくなかったようです。

20年近い製造期間を持つジェーンレイですが、アリス同様最初は刻印無しで造られました。しかし間もなくFire-Kingロゴ入りのGLASS刻印が展開され、ジェーンレイにも1950年代初頭まで使われます。1950年代半ばからはWARE/MADE IN U.S.A.が刻印が入り、その後10年ほどにわたって使われたため、ジェーンレイにはWARE/MADE IN U.S.A.刻印が多く見られます。 

 
<1948年>

■レストランウェア(Restaurant Ware) 生産終了:1967年



業務用にしっかりと造られたレストランウェアは、当初の目的とは異なるミルクガラスの魅力を引き出して、アメリカでも大変な高騰アイテムとなっています。

しかし、当時はコレクターズアイテムではなく、レストランの他、教会や学校、そして軍隊などでも日常的に使われていたため、使用感があることが一般的です。
 
Jade-iteが代表カラーですが、展開数は少ないもののWhiteやCrystalもあり、種類によってはJade-iteの価格を上回るWhiteのレストランウェアもあります。
 
また、わずかにAzur-iteやRose-iteのレストランウェアも生産されたようですが、見つかってもレア品として高額であることは間違いありません。
 

<1949年>

■スワール(Swirl) 生産終了:1962年



Anchor Hockingが正式にスワールと名付けて販売したのはアズライトのみで、それ以外のカラーはコレクターによって分類上スワールと呼ばれた、と言われています。

発売当初のカラーはアズライト、ジェダイ、アイボリー、アンカーホワイトでしたが、1950年代中期からホワイトやアイボリーにカラーを吹き付けたピンクやサンライズなどをラインナップに加えていきます。
 
アメリカでも人気が高いパターンで展開数も豊富ですが、Jade-iteとRose-iteの2色は別格的に高額です。
 

<1950年>

■チャーム(Charm) 生産終了:1956年



四角い形がかわいいチャームシリーズ。

Anchor Hockingは、Jade-iteとAzur-iteのみをチャームとして1950年に発売しましたが、その後、四角い形のForest Green、Royal Ruby、Milk Whiteなども製造され、コレクターたちにチャームとして収集されていきました。
 
アメリカでもJade-iteは高騰してしまっており、Royal Rubyは展開数が少なくAzur-iteよりも価格が高いため、チャームはAzur-iteに人気があります。

チャームは刻印を入れずに造られましたが、Azur-iteとJade-iteについては発売開始の初期のみ当時の刻印(GLASS刻印)が入れられました。
 
■フォレストグリーン(Forest Green) 生産終了:1965年



ロイヤルルビーと並ぶAnchor Hockingの代表カラーです。
 
ディナーウェアをはじめ、グラスやタンブラー、そして灰皿や花瓶に至るまで、多くのグラスウェアで展開されました。

ロイヤルルビーと比べてお手頃価格なものが多く、気軽にアンティーク食器を楽しみたい時に、豊富な種類と相まっておすすめできるシリーズです。


<1951年>

■ローレル(Laurel) 生産終了:1965年


 
Anchor Hockingは、Laurelブランドをグレーカラーのローレルだけに使いましたが、ローレルのデザインはピーチラスター、アイボリー、アイボリーホワイト、ホワイト、ジェダイにも展開されており、コレクターにLaurelと呼ばれています。
 
1952年に登場したピーチラスターのローレルデザインは、Anchor Hockingのカタログで“The New Sensation”と描写され1963年まで生産されました。

 
<1956年>

■ターコイズブルー(Turquoise Blue) 生産終了:1958年



1956年に生産が始まったターコイズブルーは、その年生産終了となった(初期ファイヤーキングを長年支えてきた)サファイアブルーオーブンウェアをミルクガラスで引き継いだような結果にもなりましたが、カラー出しが難しかったのか? コストに合わなかったのか? その高い人気にもかかわらず、2年後には生産終了となります。

製造期間の短さからくる希少性からどれもお値段が高いターコイズブルーですが、このカラーの人気は実際に手にして判る美しい色合いにあります。

ミルクガラスに爽やかなブルーカラーが溶け込んだような出来栄えは、手作り感さえ覚えます。
 
ブルーのターコイズは、グリーンのジェダイと並ぶColored Milk Glassの金字塔です。


<1958年>

■フルーレット(Fleurette) 生産終了:1961年



プリムローズに先立ってフローラルデザインとして発売されたのがフルーレットです。
 
プリムローズやウィートと異なり、フルーレットはディナーウェアのセット品が中心で、セット品販売がゆえ未使用品状態で残っているものも少なくありません。


<1959年>

■レースエッジ(Lace Edge) 生産終了:1976年


 
レースエッジは、アメリカのキッチンテーブルによく飾られるフラワーアレンジメントのためにデザイン・製作されたミルクガラスです。

アズライトでも一部造られたようですが、中心カラーはお花が映えるミルクホワイトです。

レースエッジはレースの間の隆起形がデザインの特徴として一般的に知られていますが、最初は隆起形の無いデザインで造られ、その初期版は希少品としてコレクターに注目される存在です。

フラワーアレンジメントのためのミルクガラス、という特色からGay Fadなどによるペイントが施されたものも多く、レースエッジの人気を高めていきました。


■ホブネイル(Hobnail) 生産終了:1979年



ゴブレットやピッチャーなどのドリンクウェアの他は、花瓶とフラワーポットぐらいと展開数が少ないホブネイルですが、ホブネイルを引き立たせるミルクホワイトが主であり、ホワイト好きのコレクターに人気があるデザインです。
 
花瓶とフラワーポットのみにですが、Coral、Green、Yellowカラーも展開されました。


<1960年>

■プリムローズ(Primrose) 生産終了:1962年


 
フルーレットに続いて造られたフローラルパターンがプリムローズです。
プリムローズは、Anchor Hockingがデイナーウェアとオーブンウェアの両方を同時に展開した最初のパターンです。

その広い展開数にもかかわらず製造期間が短く、Anchor Hockingのカタログに掲載されたのは1960-1961年版と1961-1962年版のみであったため、'試験的に造られたリミテッドパターン'という見方をするコレクターもいます。


<1962年>

■ウィート(Wheat) 生産終了:1966年



1940年代、1950年代サファイアブルーで彩られていたアメリカのキッチンは、ミルクガラス全盛の1960年代にこのウィートに取って代わられました。
 
ディナーウェアからオーブンウェアまで展開数も豊富で、落ち着いた、品のあるデザインが多くの女性に支持されました。
 
あまりの人気の高さから、中国の企業がWheatをデザインにしたディナーウェアを造ったため、Anchor HockingはFire-King Wheatの丈夫さをアピールするキャンペーンを行なった、とも言われています。
 

<1965年>

■シェル(Shell) 生産終了:1976年



スワールが1962年に生産終了になったあと、よりインパクトのあるデザインで登場したのがシェルです。
 
コレクターにもっとも人気が高いのはmother of pearl(真珠層)仕上げのAuroraカラーで、アメリカでは全般的にJade-iteよりも高い価格で扱われています。
 
すでにミルクガラスで人気を得ていたFire-Kingは、ベーシックなミルクホワイトの表面に装飾ペイントを施し、企業広告やお土産品にも展開していました。
 
また、よりゴージャスな印象を持たせるため、リムに22Kを施したシリーズもあり、それらはGolden Shellと呼ばれていました。
 
Fire-Kingロゴのある刻印の最終年は1976年ですが、当時の主要パターンであったシェルの生産終了はFire-Kingブランドの終わりを意味する面もあります。

 
<1966年>

■ブルーモザイク(Blue Mosaic) 生産終了:1969年


 
その名の通り、ブルーのかわいいモザイク柄のデザインがミルクガラスにdecal(転写)されているのですが、このシリーズの特徴は、カップとシュガー&クリーマーはモザイク柄ではなく、爽やかなブルーカラーで造られた点です。


 
ファイヤーキング後期のミルクガラスですが、Anchor Hockingのカタログには1966-1967年版にしか掲載されず1969年には生産終了となったため、その少ない展開数からお値段は高めです。

■ソレノ(Soreno) 生産終了:1970年



ミルクガラスが全盛だった1960年代後半に、透明カラーのグラスウェアとして確固たる地位を築いたのがソレノです。
 
主要カラーはAvocadoとHoney Goldで、特に全種に展開されたAvocadoカラーは、当時のおしゃれなキッチンをAvocadoグリーンで美しく飾っていた、と言われています。
 
カラーは他にも数種あり、特に1968年に製造されたmother of pearl(真珠層)仕上げのAuroraと、1967年に製造されたAmber、Blue、Cranberry、Smokeの4種あるLustreカラーは、美しさと希少性が相まってアメリカでは高額で扱われています。


<1976年>

■ネイチャーズバウンティ(Nature’s Bounty) 生産終了:1978年


 
大自然の恵み(Bounty)が明るくデザインされたネイチャーズバウンティ。
1976年のBicentennial(アメリカ建国200年)を記念した造られたパターンとも言われており、結果的にFire-Kingロゴ入りの刻印を持つAnchor Hocking最後のミルクガラスパターンとなりました。

 
1977年以降に生産されたグラスウェアの刻印からFire-Kingロゴが消えたため、1976年をFire-Kingブランドの終了年とする説もあります。
しかし、その後もAnchor Hockingの刻印でミルクガラスを造り続けます。そして、製造コストの採算が取れなくなってミルクガラスの生産を終える1986年がFire-Kingブランドの終了年とされています。

尚、ファイヤーキングの誕生年を1941年とする説もありますが、その根拠は、

・代表パターンになるサファイアブルー・オーブンウェアとバブルシリーズは1941年に生産が始まった
・フィルビージェダイやプレーンアイボリーといった最初期のミルクガラスは1941年から造られた

ためですが、当店ではAnchor HockingがFire-Kingブランドを立ち上げた1942年を厳密にファイヤーキング誕生年としています。



2.刻印の歴史
 
Fire-Kingブランドは、お馴染みのロゴを使ったデザインなどの刻印を展開していきます。
 
ミルクガラスを中心としたグラスウェアブランドの中でも製造年代を推し量ることが可能なファイヤーキングの刻印は、アンティークとなった今、ファイヤーキングを人気ブランドに押し上げた要因にもなっています。
 
刻印はその時代を反映した面もあり、ジェーンレイやレストランウェアなど長期にわたって生産されたパターンでは時代毎に異なる刻印が存在します。
 
ものづくり企業にとって刻印を変更する(製造ラインや設備に手を加える)ことはコストになるため、新しい刻印ができても、終了を予定していたパターンは従来の刻印のまま造られることもありました。

また、キャラクターマグなどの単体ものは、以前の刻印が残る製造ラインで造られたものもあります。
 
その結果、刻印は同時代に複数存在したり、年単位ではなく『前半、後半』や『頃』など幅を持たせた表記が厳密には必要になります
 
代表的な刻印を年代順にご紹介します。

 
<1940年代中期>

■FIRE-KING/OVEN/GLASS
 終了年代:1948年頃(サファイアブルーは1956年



 
ブロックレターで記されたファイヤーキングの最も古い刻印で、1940年代の中心カラーであるジェダイ、アイボリー、サファイアブルーで見ることができます。

Fire-Kingブランドができたのは1942年のため、1941年に生産が始まっていたフィルビー・マグなどの最初期品には刻印が入っていないものもありますが、Fire-Kingロゴができる1940年代後半までの限られた期間に使われたジェダイのマグなどでは、このブロックレター刻印は希少品として扱われています。
 
当時の製品ラインナップは、クリアガラスではサファイアブルー、ミルクガラスではアイボリーに代表されるオーブンウェアが中心でしたが、アイボリーのオーブンウェアでは1948年〜1950年代中期にこの刻印が使われました。


<1940年代後半>
 
■OVEN/Fire-Kingロゴ/GLASS
 終了年代:1950年代初期

 
 
 
Fire-Kingロゴを使った最初の刻印で、初期ファイヤーキングの代名詞としてGLASS刻印と呼ばれています。

GLASS刻印は、プレートやソーサーの場合はOVENとFire-Kingロゴの順番が入れ替わり、Fire-Kingロゴ/OVEN/GLASSと記されたものもあります。

1940年代後半から1950年代初頭の短い期間に使われましたが、刻印なしでデザインされたアリスやチャームでも、この期間のグラスウェアにはこちらの刻印が入ったものもあります。


<1950年代初期>
 
■OVEN/Fire-Kingロゴ/WARE
 終了年代:1950年代末期



 
 GLASSがWAREに変わりました。
ファイヤーキングを『ガラスブランド』から『レストランウェアなどの食器ブランド』に発展させるANCHOR HOCKING社の意思を読み取ることができます。


<1950年代中期>
 
■OVEN/Fire-Kingロゴ/WARE/MADE IN U.S.A.
 終了年代:1960年代中期

 
 
 
1950年代に入ると食器もグローバル化が進んだことから、刻印に製造国名が追加されます。


<1960年代中期>
 
■ANCHOR HOCKING/アンカーマーク/Fire-Kingロゴ/WARE or DINNERWARE/MADE IN U.S.A.
 終了年代:1970年代前半


 
ミルクガラス人気の高まりとともにファイヤーキングブランドも名声を得ていきます。
他業界からも注目されるようになりANCHOR HOCKING社は製造元としての自信と誇りを刻印に表します。
 
これはANCHOR HOCKING社がファイヤーキングの中核を独自パターンから他社とのコラボレーションビジネスにシフトしていくことにも繋がっていきます。


<1960年代後半>
 
■ANCHOR HOCKING/アンカーマーク/Fire-Kingロゴ/OVEN-PROOF or OVENWARE/MADE IN U.S.A.
 終了年代:1976年頃


 
長年培った製法技術から耐熱性にも優れたミルクガラスを提供していたANCHOR HOCKING社は、ミルクガラスの一般家庭でのさらなる浸透を狙って'OVEN-PROOF(オーブン用)'を刻印に表します。


<1977年>
 
■OVEN-PROOF/アンカーマーク/MADE IN USA
 終了年代:1986年



 
Fire-Kingロゴが刻印から消えますが、その理由には次の2つの説があります。
 
1.OVEN-PROOFを強調したためFire-Kingの文字が「直火にもかけられる」という誤解を招いた
2.ANCHOR HOCKING社がFire-Kingブランドを実質終了させた
 
グローバルでの低価格競争にさらされていたANCHOR HOCKING社は、1976年には主力パターンであったシェルの製造を終了し、1977年以降は新規のパターンも発表していません。
 
製造コストの高いミルクガラスの生産を他業界とのコラボレーションビジネスや従来品の継続だけに縮小させ、新規発生コストを避けた時代でしたが、ファイヤーキング末期の刻印はFire-Kingの文字が無いものとなりました。
 
 
最後に、ファイヤーキングには『刻印なし』という刻印も存在します。
 
例えば、Fire-Kingロゴが造られたのは1940年代後半、その前のブロックレター刻印は1940年代中頃からと言われていますが、ファイヤーキングは1940年代前半にも造られています。
 
オールドファイヤーキングのコレクターには周知されていますが、フィルビーのミルクガラスや、プレーンアイボリーのマグとチリボウルの最初期品などには刻印は入っておらず、レア・アンティークとしてアメリカでも高値で扱われています。

また、1946年から1965年までの長い期間生産されたジェーンレイは、Fire-Kingロゴ入りのGLASS刻印ができるまでの期間と、GLASS刻印が1950年代初頭に終了しWARE/MADE IN U.S.A.が始まる1950年代中期までの期間は、刻印なしで造られました。
 

 
3.グラスウェアと刻印の歴史から
 
製造年代の推測が可能なファイヤーキングですが、製造年代は、
 
グラスウェアの歴史 First, 刻印の歴史 Second
 
で見る必要があります。
 
グラスウェアの歴史は、製品史の調査によって年単位で明らかにされています。
一方、刻印は製品に使われた実績から整理されたもので、グラスウェアパターンのように会社から発表されたわけでも、カタログに残っているわけでもありません。
 
刻印については古いものほど諸説あり、この点もアンティークコレクターがFire-Kingにハマる一因になっています。
 
 
(参考文献)
・Monica Lynn Clements and Patricia Rosser Clements. An Unauthorized Guide to Fire-King Glasswares. Schiffer Publishing Ltd., 1999, 144p
・Cathy & Gene Florence. Anchor Hocking’s Fire-King & More Identification & Value Guide Fourth Edition. Collector Books, 2010, 222p
・Gene & Cathy Florence. Collectible Glassware from the 40s,50s,60s... Ninth Edition. Collector Books, 2008, 255p
・Garry & Dale Kilgo, Jerry & Gail Wilkins. A Collector's Guide To Anchor Hocking's Fire-King Glassware 2nd Edition. K & W Collectibles, 1997, 201p

 

最近チェックした商品

最近チェックした商品はまだありません。