ヘーゼルアトラス グラスウェアの歴史
C.N.BradyとChas.H.Tallmanは、1885年(翌年”Hazel”と呼ばれることになった)小さなガラス会社を設立し、フルーツジャーや油差し、容器やボトルの製造など、ビジネスを広げていきます。
そして1896年、Hazel社の製品の中からフルーツジャーだけを切り離して専門に製造するAtlas Glass CompanyをBrady氏が中心となって設立します。
1899年から関連会社も設立していきますが、1902年、それらの工場が一緒になりHazel-Atlas が誕生しました。
主要な企業にジャーやタンブラーなどを含めた容器を供給していたヘーゼルアトラスは、1920年代には『家庭のキッチン棚にはヘーゼルアトラス製のガラス容器が何かしら入っている』までになります。
<1930年代>
■ウランガラス
ウランガラスをカタログに加えた1929年から、ディナーウェアを含めカラフルなディプレッションガラスを展開した1930年代は、企業向けだけではなく、一般家庭を対象にしたマーケットに参入していくことになります。
そして1936年、Platoniteと呼ばれるヘーゼルアトラス特有のミルクガラスを開発します。
PlatoniteはMilk glass同様、製造過程からの名前ですが、厳密にはミルクガラスではなく”Semi-opaque white glass”とされています。
製法のことは判りませんが、Platoniteはガラス内に乳液を流し込んだような見え方が特徴で、色抜け(練りムラ)も見られます。
ヘーゼルアトラスは、1900年代前半から各企業が商品を詰めた容器(Product packaging)で使っていたタンブラーにもデザインを施してビジネスを拡大し、1930年代には”the world’s largest tumbler producer”と呼ばれるに至りました。
1929年の大恐慌の影響で”waste not, want not”の風潮が高まる中、1933年、ビジネスパートナーのKraft FoodsとともにSwanky Swigsと呼ばれた容器にチーズスプレッドを入れて販売します。
中身の食品消費後、容器はオシャレな飲料用タンブラーとして使用できるヘーゼルアトラスのPacker Tumblersは、KraftチーズのSwanky Swigs以外も含め、1950年代にかけて様々なデザイン&カラーが展開されました。
■Swanky Swigs
Packer Tumblersは、デザインの『可愛さ』と『シリーズ性』から、今やコレクタブルとして人気のアイテムとなっています。
<1940年代>
一般家庭向けのディナーウェア、テーブルウェアの販売を促進するため、ヘーゼルアトラスは独自性を追求していきます。
Kiddie wareと呼ばれる子供向けデザインや、アップルを中心としたOrchard ware、さらには仲間同士でお酒を楽しむPunch setsなど、ユニークな作品はアンカーホッキングやコーニングとの差別化を図ったものと考えられます。
1940年代後半からは、Platoniteに焼き付けたデザインやカラーも多様になり、ビジネスパートナーのGay Fad Decorating Companyにハンドペイントを施してもらうなど、数多くの作品を輩出していきました。
■Kiddie ware
■Orchard ware
■Punch sets
ヘーゼルアトラスというと黄金期とされる1950年代のイメージが強く、アメリカのネットショップでもざっくりと『製造年代=1950年代』とされているケースが多いのですが、1940年代にはPlatoniteを使った多くの作品を手掛けていました。
こちらのジャムジャーもその1つです。
■Jam jars
Kix cerealのプロモ―ショナルアイテムとして造られたこちらのミルクガラスジャーは、1940年代前半に大人気となったのですが、当時はKix cerealの箱を2個持っていくと、こちらのジャムジャーが1セントで買えたそうです。
<1950年代>
“Pretty Glassware Company”のイメージを確立したヘーゼルアトラスは、その流れを継続していく中でリプルやキャンディストライプも創り出していきます。
■Ripple
■Candy Stripe
一方、工場の老朽化や材料費、労務費、運送費などのコスト増に苦しんでいた中、容器産業に安価なプラスチック製品が参入してきます。
ガラス容器を主力商品としていたヘーゼルアトラスにとってこの打撃は大きく、経営が立ち行かなくなります。
そして1956年、Hazel-AtlasはContinental Can Company(CCC)に買収されることになります。
しかし、独占禁止法に関わる訴訟が起こり、裁判が終わる1963年までヘーゼルアトラスは製造を続けました。
<1960年代>
CCCの傘下以降も人気アイテムを継続生産し、新たなパターンも加えてグラスウェアを展開していきますが、それらは”Hazelware”として人気を博し、1970年代まで続きました。
■カプリ
■7upタンブラー
(参考文献)
・Gene and Cathy Florence. THE HAZEL-ATLAS GLASS IDENTIFICATION AND VALUE GUIDE. Collector Books, 2005, 221p
・”Vintage and Collectible Hazel-Atlas Glassware”. COLLECTORS WEEKLY. https://www.collectorsweekly.com/glassware/hazel-atlas, (参照2020-4-8).
・Jolene Nolte. “How to Start Collecting Hazel Atlas Glassware”. Cottages & Bungalows. https://www.cottagesandbungalowsmag.com/lifestyle/collecting-hazel-atlas-glassware, (参照2020-4-10).
C.N.BradyとChas.H.Tallmanは、1885年(翌年”Hazel”と呼ばれることになった)小さなガラス会社を設立し、フルーツジャーや油差し、容器やボトルの製造など、ビジネスを広げていきます。
そして1896年、Hazel社の製品の中からフルーツジャーだけを切り離して専門に製造するAtlas Glass CompanyをBrady氏が中心となって設立します。
1899年から関連会社も設立していきますが、1902年、それらの工場が一緒になりHazel-Atlas が誕生しました。
主要な企業にジャーやタンブラーなどを含めた容器を供給していたヘーゼルアトラスは、1920年代には『家庭のキッチン棚にはヘーゼルアトラス製のガラス容器が何かしら入っている』までになります。
<1930年代>
■ウランガラス
ウランガラスをカタログに加えた1929年から、ディナーウェアを含めカラフルなディプレッションガラスを展開した1930年代は、企業向けだけではなく、一般家庭を対象にしたマーケットに参入していくことになります。
そして1936年、Platoniteと呼ばれるヘーゼルアトラス特有のミルクガラスを開発します。
PlatoniteはMilk glass同様、製造過程からの名前ですが、厳密にはミルクガラスではなく”Semi-opaque white glass”とされています。
製法のことは判りませんが、Platoniteはガラス内に乳液を流し込んだような見え方が特徴で、色抜け(練りムラ)も見られます。
ヘーゼルアトラスは、1900年代前半から各企業が商品を詰めた容器(Product packaging)で使っていたタンブラーにもデザインを施してビジネスを拡大し、1930年代には”the world’s largest tumbler producer”と呼ばれるに至りました。
1929年の大恐慌の影響で”waste not, want not”の風潮が高まる中、1933年、ビジネスパートナーのKraft FoodsとともにSwanky Swigsと呼ばれた容器にチーズスプレッドを入れて販売します。
中身の食品消費後、容器はオシャレな飲料用タンブラーとして使用できるヘーゼルアトラスのPacker Tumblersは、KraftチーズのSwanky Swigs以外も含め、1950年代にかけて様々なデザイン&カラーが展開されました。
■Swanky Swigs
Packer Tumblersは、デザインの『可愛さ』と『シリーズ性』から、今やコレクタブルとして人気のアイテムとなっています。
<1940年代>
一般家庭向けのディナーウェア、テーブルウェアの販売を促進するため、ヘーゼルアトラスは独自性を追求していきます。
Kiddie wareと呼ばれる子供向けデザインや、アップルを中心としたOrchard ware、さらには仲間同士でお酒を楽しむPunch setsなど、ユニークな作品はアンカーホッキングやコーニングとの差別化を図ったものと考えられます。
1940年代後半からは、Platoniteに焼き付けたデザインやカラーも多様になり、ビジネスパートナーのGay Fad Decorating Companyにハンドペイントを施してもらうなど、数多くの作品を輩出していきました。
■Kiddie ware
■Orchard ware
■Punch sets
ヘーゼルアトラスというと黄金期とされる1950年代のイメージが強く、アメリカのネットショップでもざっくりと『製造年代=1950年代』とされているケースが多いのですが、1940年代にはPlatoniteを使った多くの作品を手掛けていました。
こちらのジャムジャーもその1つです。
■Jam jars
Kix cerealのプロモ―ショナルアイテムとして造られたこちらのミルクガラスジャーは、1940年代前半に大人気となったのですが、当時はKix cerealの箱を2個持っていくと、こちらのジャムジャーが1セントで買えたそうです。
<1950年代>
“Pretty Glassware Company”のイメージを確立したヘーゼルアトラスは、その流れを継続していく中でリプルやキャンディストライプも創り出していきます。
■Ripple
■Candy Stripe
一方、工場の老朽化や材料費、労務費、運送費などのコスト増に苦しんでいた中、容器産業に安価なプラスチック製品が参入してきます。
ガラス容器を主力商品としていたヘーゼルアトラスにとってこの打撃は大きく、経営が立ち行かなくなります。
そして1956年、Hazel-AtlasはContinental Can Company(CCC)に買収されることになります。
しかし、独占禁止法に関わる訴訟が起こり、裁判が終わる1963年までヘーゼルアトラスは製造を続けました。
<1960年代>
CCCの傘下以降も人気アイテムを継続生産し、新たなパターンも加えてグラスウェアを展開していきますが、それらは”Hazelware”として人気を博し、1970年代まで続きました。
■カプリ
■7upタンブラー
(参考文献)
・Gene and Cathy Florence. THE HAZEL-ATLAS GLASS IDENTIFICATION AND VALUE GUIDE. Collector Books, 2005, 221p
・”Vintage and Collectible Hazel-Atlas Glassware”. COLLECTORS WEEKLY. https://www.collectorsweekly.com/glassware/hazel-atlas, (参照2020-4-8).
・Jolene Nolte. “How to Start Collecting Hazel Atlas Glassware”. Cottages & Bungalows. https://www.cottagesandbungalowsmag.com/lifestyle/collecting-hazel-atlas-glassware, (参照2020-4-10).
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